ロードレースとは?

生活の足として、移動手段として老若男女問わず親しまれている自転車。自転車と聞いてまず思い浮かぶのは、シティサイクル(軽快車)、いわゆるママチャリではないでしょうか。

自転車をスポーツとして乗る競技があることをご存知ですか?使用するのはママチャリではありません。舗装路を高速で走行できるよう作られた自転車を使用します。軽量性を重視してタイヤが細く、空気抵抗を少なくするために前傾姿勢が取れるようになっており、ロードバイク(またはロードレーサー)と呼ばれます。

このロードバイクを用いた自転車競技のレースを総称してロードレースと呼びます。タイヤの細い自転車を見たことがある方の多くが競輪を思い浮かべることでしょう。競輪は自転車競技場や競輪場で開催され、トラックレースに分類されます。今回は現在一番日本で競技人口の多い、公道を走るロードレースについて取り上げます。

東海圏で開催されているロードレース

プロ向けの日本で開催される主なレースとして、UCI(世界自転車競技連合)公認の「ツアー・オブ・ジャパン」があります。8日間・8レース開催される中で、2レースが東海圏である岐阜県の美濃市と三重県のいなべ市で1日づつ開催されます。

TOJ美濃ステージ写真
ツアーオブジャパン美濃ステージ。地元企業である愛三工業レーシングチームの姿も。

アマチュア向けのロードレースは2種類あり、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)が主催する実業団レースと、実業団登録を必要としないレースがあります。実業団レースは実業団登録とチームに所属しなければ参加できませんが、JBCFが主催していないアマチュアレースは登録を必要としないため誰でも気軽に参加することが出来ます。東海圏で開催されている主なレースは平田クリテリウム、AACA CUP、犬山クリテリウム、などがあります。

コーヒー片手に観戦

ロードレースで一番の特徴は、子どもから大人まで楽しめるところです。競技者と見学者の距離が近く、気軽に声をかけることが出来るので、レースに出る方のご家族やご友人をはじめとした自転車愛好家が、参加者に声援を送ったり、写真撮影を行うのが恒例です。

これはアマチュア向けのレースに限らず、プロのレースも同様です。自転車関係のメーカーが出店していることも多いので、自転車の試乗が出来たり、用品を購入することが出来ます。見学は無料です。

走っている選手のすぐ横で観戦写真

東海圏で開催されているレースでは、サンドイッチやパスタといった軽食を提供する「BUCYO coffee」(BUCYO Coffee KAKO 名古屋市中村区)のブースがほぼ毎回出店されています。美味しいコーヒーを片手に観戦を楽しむことが出来ます。選手に向けてプロテインドリンクも販売されています。

軽食を楽しみながらレース観戦写真

毎月開催、気軽に参加できる平田クリテリウム

愛知県の隣である岐阜県海津市では「平田クリテリウム」という大会が毎月開催されています。クリテリウムとは、公道を規制して周回コースを作り、規定周回を走り順位を競うロードレースです。平田クリテリウムでは、長良川右岸河川敷にある平田リバーサイドプラザ内の周回コースを利用して開催されています。

会場となっている『平田リバーサイドプラザ』は、水と緑とふれあえる公園として、幼児用自転車練習コース、おもしろ自転車の貸出、バーベキュー広場、スポーツやイベントに利用できる芝生の多目的広場、インラインスケート、そして自転車競技ができるコースを備えています。岐阜ICから車で15分の場所にあり、名古屋市から約1時間でアクセス出来ます。

平田クリテリウムは、ロードレースができる北側2.1㎞の周回コースを走る競技です。
レベルもしくは年代別でカテゴリーが分けられており、優勝者には表彰があります。カテゴリーは、16歳以下の年代別(U16・U13・U11・U09)と、女性のみ(CL1・CL2)、男女問わずレベル別で競うクラス(C1・C2・C3・C4・C5-5・C5-4)の12カテゴリに分かれています。岐阜県自転車競技連盟が自転車競技普及と競技者育成を目的に、気軽に参加できることを目指して毎月1回開催しています。各カテゴリは定員が約40名で、C1からC5はほぼ毎レース定員に達成しているほど人気の高いレースです。

レース開始前の選手達の写真

レベル別のクラスは入門級がC5、初級がC4、中級がC3、上級がC2、最上級がC1となっています。周回数は各クラスで異なり、一番周回数の多いC1のレースではコースを14周(29.3km)走ります。どのクラスに参加するかは参加者本人の判断になるため自由です。複数のクラスにエントリーすることも可能です。そのため、強い選手と競うためにC1に出ることも出来ますが、実力に見合っていない場合は完走することが出来ません。レースから除外されることを回収されると言います。走っている参加者の最後尾を「回収車」と呼ばれる車が走っており、除外の条件を満たすほど他の参加者から遅れるとレースから離脱するよう宣告されます。

レース開始の合図で飛び出す選手たちの写真

個人競技でもあり、団体競技でもあるロードレース

ロードレースは基本的には個人競技ですが、団体競技でもあります。風の抵抗が強く影響するためです。前方に人が走っていると空気抵抗が小さくなり、単独で走っているより後続は楽に走ることが出来ます。そのため、レース中は同じくらいのペースで走る数人で集団を形成して走ります。

戦術としてチームメイトや知り合い同士で協力することもあります。チームは自転車店が主催するショップチーム、実業団チーム、そしてアマチュアレースに出ることを前提とした未登録(実業団に登録を行っていない)チームを始めとして、仲の良い友人で結成したサイクリングチームなどがあります。

レース中の写真

1人より2人、2人より3人。より多くの集団を形成すると、風の抵抗を受けにくく安定して走ることが出来ます。逆に、集団から離れてしまうと追いつくことが厳しくなってしまいます。最上級クラスであるC1では、集団がかなりの速さで走っており、一度集団から遅れて単独になってしまうと絶望的です。どんどん集団と差が離れてしまい、最後には回収されてしまうのです。

3月24日に2019年第3戦の平田クリテリウムが開催されました。先導車に誘導されて全員がゆっくりスタートした後、第1集団と第2集団が形成されます。最初は第1集団のすぐ後に第2集団が続いて、鈴なりの大集団で走っていましたが、すぐに速い人が先頭に飛び出します。他の人が誰も着いてこれないくらい速ければ、そのまま独走して優勝することも出来ます。ここで問題になるのが風です。

速く走れても、一人で風の抵抗を受けながら走っていると、集団で走っている他の人より疲れてしまいます。ゴールまで体力が保てばいいのですが、追いつかれてしまう恐れがあるのです。レース中は常にお互いどこまで走れるかの探り合いです。

勝利を目指す人は先頭争いを仕掛けます。先頭集団内で勝者が決まることが多いです。しかし、先頭集団が争うことで、体力が削られ後続の集団で足を温めていた人が飛び出して勝利する、ということもあり得ます。勝負は終わるまで分かりません。

先頭を走る選手の写真

走行スピードは約40km/mくらいの速さで走っています。最高では60km/mくらいまで出ているので、まるで車のような速さです。

競技である以上、参加している者はお互いライバルです。しかし、ロードレースは選手1人の走りだけでなく参加者同士もお互い影響し合っているため、切磋琢磨し合う競技姿勢が見られます。集団で密集して走るため走り方が危ない人がいると、周囲も危ない思いをしてしまうのがロードレースです。例えば、誰かが落車をすると後続で走っていた人達も巻き込まれて落車をしてしまいます。事故なく安全に走ることを主催者も参加者も目標にしています。

レースが開催されていない時には周回コースを自由に使うことが出来るので、実際のコースで練習をすることが出来ます。技術を向上したい意思がある人には気軽に教えてくれる方が多いです。興味のある方はまず見学をしてみるのが良いでしょう。上手い人の走り方を見ることでもスキルを学ぶことが出来ます。

「平田クリテリウム」にぜひ参加申し込みを!

エントリーの際には、平田クリテ実行委員会の公式ホームページで選手の事前登録が必要です。登録を行うと選手コードが発行されます。選手コードはレース開催日の6日前の月曜日に行われる仮受付または当日受付の際に必要です。

開催場所:岐阜県海津市平田町野寺2266番地3
平田リバーサイドプラザ 北側周回コース
カテゴリー別による個人ロードレース (2.1km/周回)
参加費:1000円 (U13・U09カテゴリーは無料)
http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/crt/

取材・執筆:田口